生産者紹介

三代にわたり浜松市で製茶業を営んできた
村松商店の中核を担うお茶の生産者へ
インタビューをさせていただきました。
ここでは浜松深蒸し茶へのこだわり、歴史、そして
浜松深蒸し茶を通してどんなことを伝えたいか
当事者自身の言葉で語っていただきました。

お茶インストラクター写真

村松 正浩

プロフィール
1983年生まれ。
高校卒業後、明治大学農学部にて茶の植物病理の研究を専攻。
その後、京都老舗卸問屋の福寿園に就職し、サントリーコラボ商品である伊右衛門をセールス。茶の魅力や茶に対しての世界感が広がる。
退職後、家業である同社に戻り、茶作りから販売までを担う。
保有資格
日本茶インストラクター・静岡県青年農業士
受賞歴
静岡茶審査技術競技大会入賞
村松商店イメージ
村松商店の歴史と浜松茶との関わりを教えてください。
浜松茶とは明治維新後に開拓された三方原台地で作られた茶のことを表しています。
三方原台地の西南に位置する西山町でも茶の栽培が昭和初期から盛んになってきました。
そして昭和14年、村松幸四郎が同町にて製茶業を始めました。
屋号はカネタといいます。(幸四郎はカネタ村松製油所の四男として育ちました。)

当時は茶生産農家から収穫した生葉を買い、製茶して静岡や藤枝の茶商に卸す仕事でした。
戦中にもかかわらず幸四郎の妻、村松てつは製茶工場を回し、お茶を造ったことに徴兵から帰ってきた幸四郎は驚き喜んだと聞きました。
初代のおかげで西山町の茶畑が守られ、後世に続くことができました。

2代目、村松久仁一は製茶業を発展させるため、昭和52年に有限会社村松商店として法人化。
主に原料となる荒茶を買い、小売販売していました。
久仁一の思いとしては自分たちで畑作りから美味しいお茶を造りたく、昭和58年自園の畑に茶の苗を植えました。
少しずつ茶畑を地主から借り、絶えず努力を重ねることで良い茶を収穫できるようになりました。
同時に平成元年には茶店舗を構え、より多くのお客様に自園自製のお茶を販売できるようになりました。

現在は3代目、村松正浩が加わり、茶園面積を9ha(契約農家4件含む)に増やし、
製茶工場も増改築することで安定的な品質と収量で茶の供給が可能となりました。
そして100%自園、浜松市で育て作った茶葉を「浜松深むし茶」として日本全国のお客様に発送させてもらっております。
さらに訪日される海外のお客様にも当店のお茶を飲んでもらったり茶文化を伝える体験を行なっています。

インタビュー写真2
今回、浜松深むし茶ブランドを立ち上げたのは、どのような経緯だったのでしょうか?
静岡県内には掛川、川根、金谷、森など様々な茶産地がありますが、浜松も茶産地だということはそんなに多くの方は知らないと思うのです。
地元の方でさえ茶畑が浜松にあることに驚かれることがあります。
村松商店のお茶はどこのお茶を仕入れていますかと聞かれることもありました。

そんなことがあり、まずは自園自製のお茶であるとパンフレットや商品にアピールしていきました。
しかしそれは他社との差別化にならず、何より生産者側目線ということに気づきました。
お客様にとってどんなお茶を販売しているお茶屋かを考えたときに「浜松深むし茶」のお店だとたどり着きました。
それは100%自分たちで育てた生葉を製茶し、扱っているという裏付けとなります。
他産地のお茶を仕入れていてはお客様を欺く行為となります。品質の良い自信のあるお茶が浜松深むし茶としてお店に並んでいます。

お茶インタビュー写真3.1
品質を保つため、お茶づくりの中で気を付けている部分はありますか?
1年かけて大切に育ててきた新芽です。まず収穫、お茶刈りをする日程が収量や色づきを決める大事な要素です。
この時期の新芽は一日で変わりますので、一番良い収穫適期を狙っています。

次は、蒸す行程です。
お茶の味や香りを決める最大な要素です。
収穫された新芽、生葉に100℃の蒸気をどのくらいの時間あてるとお茶本来の旨みや渋み、
香りを引き立ててくれるかはこの工程で決まります。当店のお茶は深蒸し製法です。
深く蒸すということで通常より長い時間(90~120秒)蒸しています。
蒸しが揃うといいますが、これは収穫された生葉が一定の品質であるとうまくいきます。
当店のお茶はすべて自園の茶畑で育てているので、蒸しが揃ったお茶ができるのです。

その後は乾燥工程に入ります。
例えば、収穫された100kgの生葉のうち製品の茶葉になるのは何kgか分かるでしょうか。
正解は約20kgです。つまり80kg、8割が水分なのです。
これを熱風をあてながら揉み込み、乾かしていきます。針のようなきれいな茶葉に仕上げるには手の感覚が必要になってきます。
機械のなかに手を入れ、いまどのくらいの水分量(含水率)かが分からないとやはり良いお茶は作れません。

インタビュー写真3.2

4月~6月に造られたお茶は年間を通じて少しずつ販売していきます。
当店は大型冷凍庫で保存することで常に品質は一定に保たれています。
お茶造りは年一回の勝負と言われます。
50年のベテランおじいちゃんもまだまだお茶のことがよくわからないと話してくれます。
正解がないのがお茶造りの醍醐味だと感じています。
お客様に本当に美味しいと言ってもらえると本当に頑張って作って良かったなと思います。

インタビュー写真4
浜松深蒸し茶は、どんなお客様に飲んでもらいたいですか?
普段の食事のなかで少し健康に気を使うお客様に飲んでもらいたいですね。
お茶は病気を治すことはできませんが、体調を維持したり、風邪の予防になったりします。
深蒸し茶は茶葉が細かいためカテキン成分がよく抽出されます。
毎日少し時間のあるときは急須で淹れたお茶を飲んでもらえたらなと思います。

当店のお茶は家庭用の需要がほとんどです。
毎日お茶を飲まれる既存のお客様を大事にしつつ、
お茶の良さを知らない世代(ペットボトルのお茶で育った世代など)に対しても、
浜松深むし茶を伝えていければと思っています。

最後に一言、お願いします。
お茶を飲むと心が落ち着きます。
お茶に含まれるテアニンという成分がリラックスできると言われています。
毎日忙しく生活しているなかで、少しだけスローライフの時。
そのときに一杯の美味しいお茶は最適なのです。

私は多くの方に浜松深むし茶を飲んでもらいたいと思っています。
それと同時に地域の農業、私で言う茶園をこれからも守っていかなくてはと思っています。
一度茶園が荒れてしまうと再生するのには何年もかかります。
地元の方に愛されるお茶屋になりたいと思います。
さらに海外の方が日本茶を愉しみ、浜松深むし茶が海の向こうで美味しく飲まれることを目標としています。

推薦者の声
最後に、村松商店のお茶を飲んでいただいた専門家の方から頂いた言葉をご紹介させていただきます。
推薦者
推薦者の声: 山喜製茶組合 青野友喜
村松さんとこのお茶を飲んでみると3段階で評価できると思います。
口に入れた瞬間・・ふわふわーっと広がるお茶の旨み、
新緑を感じる香り舌の上で転がすと・・決して嫌ではない穏やかな渋み、
苦み最後に・・すっきりと消える苦みと余韻を残す渋み
とても味の濃いしっかりしてるお茶という印象です。
受賞歴
  • 2015年 日本茶AWARD 日本茶大賞特別賞
  • 2016年 日本茶AWARD 日本茶大賞特別賞
  • 2018年 静岡県 第60回献上茶謹製事業 指定園主

氏名 青野 友喜
会社 株式会社 山喜製茶組合
住所 静岡県掛川市入山瀬811

村松商店で堪能できるさまざまなお茶の味をぜひお楽しみください。
お茶のラインナップは、下記ボタンよりご覧いただけます。

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